2018.06.19 Tue
【勉強ノート】流行りだけで外観デザインを決めたら…

【軒の出たデザインの秘密とは…!】
シュっとしてかっこいい直線的でデザイン性の高い、と言われる住宅が世の中たくさんあります。
でも、デザイン住宅は外壁素材を新建材(サイディングなど)にしなければなりません。
シュッとした箱型の家で木や漆喰の家はNGなんです。
その理由を解説。。。
↓
例えば漆喰は呼吸をする素材ですが、
それは漆喰にミクロの孔(穴)が無数に空いていて、
そのミクロの穴が空気中の湿気を吸収したり、放出したりします。
また漆喰は湿気を吸って吐く、というサイクルの中で漆喰表面に結晶膜ができます。
吸って吐く、濡れて乾く、が繰り返されることで表面を空気と一緒に浄化し、きれいな状態を保ちます。
穴が沢山空いている構造を微多孔質構造と言います。
(マニアックですね。。。)
穴が開いているってことは、、、
通常は水なんかも浸み込む=水が中に入ったら脆くなる、、、となるはずですが、
漆喰は外壁にもよく使われます。
外壁なのでもちろん雨が当たりますが、この結晶膜のおかげで強度を保ちます。
しかし、日本のような多湿な地域でさらに常に雨が当たる場所では、
ある程度は濡れる+吸うができるのですが限度があり吸い込みきれなくなると、
さすがに水分で飽和状態になり内部も水浸し・・・するとやはり漆喰も脆くなります。
木材も雨と紫外線で痛んでいきますが特に水は大敵で、濡れっぱなしの状態はNG、
でも逆に乾きっぱなしもNG!呼吸する素材は呼吸を妨げないことが基本になります。
木と漆喰を住宅外壁に使う際は、濡れて乾くことが大切であり、
濡れっぱなしや乾きっぱなしにならないようなデザインが必要不可欠で、
建築の歴史は新建材(サイディングなど)より、遥かに木や漆喰の歴史の方が長いため必然的にそれを考慮するようになりました。
雨で濡れっぱなしになって傷むのを防ぐために軒をしっかり出して
漆喰へ直接雨や水があたり続けないようなデザインで工夫したり、
抑えという左官技術で表面を更に強くしたり表面に漆喰油という油を塗り撥水性を高めたり。
昨今は土地の制限を考慮したり、建築費を抑制しつつ、
かっこよく見せるためのデザインで軒がない箱型のデザインが「デザイン住宅」として世間にあふれていますが、
軒なしの戸建てデザインの歴史は1963年ごろから。
つまり、50年くらいしかなく、それまで降雨量の多い国の戸建てでは歴史上なかったデザインなんですね。
しかも、日本は世界平均の2倍雨の降る国。
これだけ雨の降る国は先進国ではスイスとニュージーランドくらい。雨を考慮しない住宅デザインは日本的ではありません。
デザインとは問題解決を伴った設計のことをデザインと言い、問題解決の伴わない設計はアートと呼ぶ。。。
ちょっとジョブズっぽく言ってみました。笑
軒が出たデザインの大切さ、お分かりいただけましたでしょうか??
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